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06 Corping

​おさえる

石づくりの壁の一番上に乗せる石をコーピング(単にコープ)と言います。

見た目にも壁の強度にも大きな影響を与える重要な要素です。


構造的安定性の確保

コーピングは、壁の両サイドをしっかりとつなげる役割を果たします。積み重ねられた石が、自然の圧力や重力によって崩れないようにするためには、cover band にさらに重しをして抑える石が必要です。この石が安定していることで、全体の構造が強固になり、長期間にわたり安定性を保つことができます。


劣化の防止

コーピングは、壁が雨水や風などの自然環境にさらされるのを防ぎます。上部がしっかりとカバーされることで、水が壁の内部に浸透し、石の劣化を引き起こすことを防ぎます。これにより、壁の寿命が大幅に延びるとともに、美しい状態を保つことができます。


美的な要素

コーピングは、ドライストーンウォーリングの見た目に大きなな変化をもたらします。特に、ヨーロッパの石積みと日本の石積みでは、コーピングの有無によって明確な違いが現れます。外国の石積みでは、コーピングが特に目立ち、伝統的なスタイルが際立つ一方で、日本の石積みではその機能を持つ石は無く、石積みの様式の違いが表れています。


コーピングと欧州文化

コーピングを取り入れることで、積み上げた石のスタイルが一気に異国情緒を醸し出し、ヨーロッパの文化を感じられることもありますが、取り入れる場所によっては主張が強くなりすぎる場合もあるように感じます。


まとめ

コーピングは単なる装飾的な部分ではなく、構造的な安定性と耐久性を確保し、見た目にも大きな影響を与える重要な要素です。また、コーピングによって、一つの石積みが、異なる文化的背景を持つ石積みに感じられることもあります。

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